死刑

読売新聞社会部が連載記事をまとめたもの。
死刑について、色々な切り口でまとめてある。


死刑に関する様々の問題は、結局のところ、二つの点に収束する。
一つ目は、日本の刑に対する考え方が、応報・報復ではなく、行為者の反社会的な性格を改善するための措置である。
死刑判決とは改善不能と評価することであるが、本当にそんなことが出来るのかということ。
また、死刑以外の刑罰では、改善されたと見なされば、出所出来るわけであるが、再犯者が後を絶たない訳で、
改善という判定、あるいは改善可能と評価した判決が間違っていたことになる。
となると、そもそも改善可能であるかどうかを本当に判定出来るのかという疑問がわく。
再犯の場合、評価ミスを犯した裁判官や国家は過ちに対して、責任を問われるべきだろう。


二つ目は、殺人という補償不可能な事項に対して、どう贖って行くかという問題である。
犯人が、改善出来たということが保証されれば、許すという被害者は多そうだが、
改善出来たかどうかは本人しか分からない。