江戸の寺社めぐり(原淳一郎)

伊勢を参詣する人は、大阪や京都を巡ることが多かったが、大阪戎橋近くにあった旅籠大和屋は伊勢街道と奈良街道の追分の月本に支店を出し
参詣者が伊勢参りをしているうちに、荷物を預かって大阪に転送するというサービスをしていた。
土産物を託送するサービスや金毘羅参りをする時の船や宿の手配もしていた。
江戸時代、伊勢、京都、奈良、鎌倉など各地の名所には「案内稼ぎ」と呼ばれるツアーガイドが存在した。
なかには旅籠屋と提携し高額なマージンを要求するものなどもいた。
山岳信仰では女人禁制の場所が多くあった。血の穢れを嫌った、女性蔑視などとの説があるが、遭難防止という意味もあったのではないか。
薩摩藩長州藩の藩祖の廟が鎌倉にあるが、祖先のルーツを誇示するための、藩のねつ造ではないか。
江の島での楽しみは新鮮な海産物であり、海士に頼むと海に潜り、アワビを獲ってくれたが、実は予め籠に入れて海中に隠しておいたものを取り出しているだけではないかと噂になっていた。