門番

本田宗一郎が、打ち合わせに時間があったので予定外で鈴鹿サーキットを視察に訪れたところ
ガードマンが事前に通告がないので入れることはできないと断ったという。
お付きの者が、この方はホンダの社長だぞといったが、ガードマンは頑として聞き入れない。
本田は、予約して来なかったのはこちらが悪い、今日は出直して来ようと
引き上げて、ガードマンには「あなたのような方に警備をしていただいて、安心です」という
労いの手紙を送ったそうだ。

同じような話しが江戸時代にもあった。
江戸城の門限に遅れた春日の局は平河門を守る旗本小栗又一郎が通行を許さなかったという話や、
広島藩主の浅野長勲が東の門から出て、西の門から帰ろうとしたところ、門番から殿様であろうと
そのような通知を受けていないので通すことはできませんと断られ、東の門から戻ったという。
後日、長勲は西の門番を賞したとことである。