福島原発事故の遠因

昔、東電に平岩外四という会長がいた。
電力会社はインフラの重要性に鑑み、地域独占
コスト+利益を顧客に押し付けられる特権を得ていた。
経営者に取っては死ぬほど楽な会社である。


平岩外四は、それを自分の能力と勘違いした。
東電は政治から距離を置いていたが、
平岩は自民党の政治が堕落しているとして、小沢一郎に走った。
自民党所属時代の小沢の後援会長になった。
経団連会長時代には政治献金のあっせん中止をした。


政権に復帰した自民党は、自分を裏切った電力会社に対し意趣返しをした。
電力の自由化である。
インフラである電力に競争を持ち込むのは間違っているが、
自民党の怒りは収まらなかったのだ。


新日鉄をはじめとする大規模素材産業の発電所はこうした過程で出来た。


その結果、電力各社はコストを重視するようになった。
予防保全といって、検査で予兆が見つかれば修理する、他の機器も横並びで
調べるといった慎重な姿勢は転換され、予後保全になった。
簡単に言えば、今までは孔が空きそうだから、安全のため蓋をしましょうというのが
孔が開いて水が漏れたら止めて、蓋をすればいいという方針に変わった。


関西電力ではそうした役員がのさばり、その結果、事故が多発した。
清水もそうした流れで社長になった。
コストカッターに、緊急時の陣頭指揮なんか出来るわけがない。


福島の事故の遠因は平岩外四にある。